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●荒瀬光治(あらせ・みつじ)


卒業生それぞれの生活

 暮れから新年にかけて、3人のジャナ専(日本ジャーナリスト専門学校)卒業生に久しぶりに会うことができた。
 一人は3年前の卒業生で、大阪でDTPデザインをしている。東京支社の新年会の帰りに、ブラリと事務所を訪ねてくれた、何代目かのDTP研究会の部長である。尼崎のJRの脱線事故の時。誰からも連絡がなく寂しかったようである。(前年の阪神タイガース優勝の時はメールをしたのだが)
 あと二人は、ともに北海道の牧場に勤めている。
 一人は稚内の一つ手前の駅の牧場で、牧場主と二人で50頭の乳牛の世話をしている。彼もDTP研究会所属だが、卒業後「北海道の牧場に行った」という噂だけが流れ、ここ2年間連絡を取っていなかった。昨年12月下旬の日曜日、自宅で家族と昼食を摂っていると「友人の結婚式で東京に来ています。会えませんか?」と携帯に連絡があった。夜、高田馬場で会う。2年前、卒業旅行で北海道へ行き、そのすばらしさに魅かれ、東京に帰るとすぐHPで仕事を探し、ほとんどとんぼ返りのような状態で今の牧場の仕事に就いたそうである。
 若者らしい思い切った行動力である。朝4時前、農協の宿舎から車で牧場まで行き10時まで。午後は4時から9時くらいまでが労働時間。さすがに2年目ともなると寒さが堪えるようである。
 もう一人は女性。函館近くの競走馬の種付け牧場に勤める。人為的な生殖ではあるが、まさに生命の誕生に関わる仕事である。今年のレースから彼女の関わった子どもたちが出場するようである。
 気がつけば、もう2月も半ば。来月には、また卒業生を送り出すこととなる。
 北海道の二人のように、まれに学校での学習とは異なった選択肢を選ぶ者もいるだろう。が、充実した仕事や生活を送ることができれば、それが一番いい。
 最近、20代の卒業生と会うと、正直なところ若さに対する羨ましさを感じる。そんな年齢になっていることを実感する。が、「どっこい! まだまだ、彼らにゃ負けんぞ!」という気にもなる。そんなエネルギーを置いていってくれる、彼らの若さに乾杯!(2006.2.11)

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