重箱の隅 1 段末の中見出し
段末1   段末2
 中見出しの後はできれば3行ぐらいは本文を入れたい。最悪の場合でも1行の本文は必要である。なぜなら中見出しは、その後に続く本文内容からつけられるものだから、中見出しの後には流れるべき本文が無いと不自然なのだ。
 上の写真のように完全に段末に中見出しが来てしまうのは、明らかな事故である。本来はあってはならないことである。たまにあっても、1冊の雑誌で1ヶ所あれば「あ、やっちまってる。原稿責了にでもなったのかな」と思わざるを得ない。
 ところが、ところがである。ここのところ市販雑誌での段末の中見出しの多いこと。上の例はともに同じ雑誌の誌面であるが、この雑誌は他に2ヶ所段末の中見出しがある。もはや事故とは言い切れない。

重箱の隅 2 本文ラインの不揃い
本文のライン  
 よく見てください、上下の本文組の行ラインが揃っていません。まさに重箱の隅のような話ですが、プロが見ると気になります。
 上段は左から、下段は右から本文を流していますが、中央で重なった7、8行のラインが揃わない。この例では本文の基本フォーマットを作成しないで(左右の本文版面の設定がデタラメ)、DTP作業をしています。
 この例は、まだまし(失礼)な方で、時には4段組の最後の1段だけが行送りを詰めて、他の段の行より本文行数が多い場合もあります。当然本文ラインは揃いません。
 段組レイアウト用紙での指定経験があるデザイナーは、このようなミスは、まずおかしません。DTPによる弊害の一つと言えましょう。



重箱の隅 3 袖見出しの〜
袖見出しの〜  
 最近テレビ番組を見ていると、サブタイトル(袖見出し)の前後に「〜」や「―」を使ったものをよく見かけます。
 もともと「池袋〜新宿」のように○○から○○まで、という意味のある記号です。おそらく原稿を書いたライターがメインタイトルに対して「小さく」のつもりで、デザインする方への指示用に使っていたものが、そのまま意味もなく使われているのでしょう。
 言ってみればデザイナー(視覚表現する人)の怠慢です。メイン、サブの識別は、まず大きさ、そして書体と、いくらでもデザイン上での処理はできます。何も考えず「〜」や「―」を使うのは問題です。意識して使うなら、それも一つの表現でしょうが。
 「組版」の意識に乏しい放送業界ならではのみっともなさです。まさか出版物には使われないでしょうが……。