●行頭・行末の禁則

●行頭禁則
 」 』 〉 )などの受けのかっこ類
 、 。 , .  などの句読類
 ・(中黒) ー(音引き) など
●行末禁則
「 『 〈 ( などの起こしのかっこ類


 
禁則の処理
○行頭禁則の処理
ぶら下げ組の場合は、前の行として扱う。ぶら下げ不可の場合は、前の行に半角扱いとなる物があれば、それを半角指定し、前の行として扱う。前の行での処理が難しい場合は、前の行のラスト1字と共に次の行扱いとし、前の行はカナ部分を字割り指定し、行末を揃える。
○行末禁則の処理
その行に他に半角扱いとなる物があれば、それを半角指定し、次の行の1字を持ってくる。その行での処理が難しい場合は、次の行へ移し、その行はカナ部分を字割りし、行末を揃える。



 

●どこまでを禁則扱いとするか
 禁則の扱いは、各出版社や雑誌、あるいは編集者によってさまざまです。
 新聞では上記の中黒や音引きの行頭を許しています。雑誌では音引きを許し、中黒は禁則としているところが多いようです。さすがに受けのかっこや句読を、行頭に持ってきている印刷物はありません。(当然ですね)
 作業時間の関係で、すべての禁則を処理する訳にはいきません。年々この禁則はゆるやか(というよりはでたらめ)になっているようです。上記の他に
?(疑問符) !(感嘆符)
っ(促音) ゃゅょ(拗音)
なども組版ルールとしては本来行頭禁則です。拗促音や音引きは前の文字と結びついて一音節となるため、分割は不適当とされています。
 また 々ゝ(反復記号)も行頭禁則です。
――(2倍ダッシュ)……(2倍リーダー)は行末・行頭に分かれることを禁止しています。
 制作時間に余裕のある単行本では、これらルールとしての禁則を厳密に守っているものもあります。それどころか数字の行末・行頭の分かれ、段落最後の行の文字を「。」以外に3文字は入れる、など読みやすさのみならず、視覚的な面も考慮した小まめな処理がなされているものもあります。
 現実には、制作スパンの短縮問題もありますが、入稿時の原稿整理のいいかげんさもあり、初校・再校での大量の赤字、責了後の青焼きや色校での気分的な追加赤字が入るようでは「最低限の禁則に留めよう」という気になってしまいます。
 著者、編集者、デザイナー、組版担当者の相互理解と協力があってはじめて、先人の残してくれた財産を有効に活用できるのです。


 
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