印刷管理

2―●製版校正
 
青焼校正

青焼校正紙 面付けされた青焼き校正紙(部分)
ここでは対向の25頁は天地逆で下に面付けされています。
青焼校正紙は製版フィルムから作成されますが、最近はフィルムレスのCTPが主流となりつつあります。1色、4色関係なくDDCPで一括の製版校正や、1色は文字校正時に(写真を実データで使用し)校了扱いとする編集部も増えています。

 入稿したデータは、印刷所の製版工程でアタリ写真は新規に取り込まれ実画像に差し替えられます。パソコン上で印刷用の面付けがされ、セッターから製版フィルムが出力されます。この製版フィルムから1色の場合は青焼き校正紙が作られます。
 青焼き校正と色校正では製版関係の確認が中心となります。印刷所からは、青焼き校正紙とともに写真などの製版原稿類が戻されます。
 作業手順としては、まず戻し用の校正紙に仕上り線で線を引き、本文版面がずれていないか、裁ち切りの写真やアミ掛けは製版線(仕上り線の外3mm)まで作られているかを位置確認します。
 次に、もう1部の校正紙を仕上り頁順となるように折って、頁順の確認をします。この校正紙を頁が開
くようにカッターで切り文字校正用にします(戻し用の校正紙は切らないように)。文字関係では、責了紙との「引き合わせ」を行い、製版関係では、新規取り込み写真のトリミング・逆版などの確認を行います。
 校正作業が終ったら戻し用の校正紙に赤字をまとめます。調子変更などのある写真は印刷所に戻します。これで製版責了という場合は、控えの赤字を必ずとるようにし、印刷所からの問い合わせには応えられるようにしておきましょう。
 責了となった製版フィルムはデータが訂正され、本刷り用刷版が作られ印刷されます。
 現在では文字修正用のストリップ・フィルムが製造中止になっているので、1字の直しでも、面付けした1面のフィルムを取り替えることになります。



色校正

 色校正には、刷版を作らないで製版フィルムを読み込んで校正紙を作る簡易色校正と、フィルムから刷版を作る本紙校正があります。
 しかし現在では、フィルムレスのCTPが主流となり、データから直接刷版を出力し本紙校正を出すこともありますし、データからDDCP(ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフ)と呼ばれる簡易色校正を作ることもあります。
 データの入稿形態も完全実データもあり、印刷所取り込みもありますし、組版データも含めた指定紙入稿もあり、さまざまです。印刷所営業マンと事前に打ち合わせ、色校正での赤字はどちらで直すかを決める必要があります。一般的には、経験豊富な印刷所製版担当の方に、取り込みから管理までを依頼するのが、データの移動や時間を考えるとベターではないかと考えます。

色校正紙の赤字入れ

 校正紙は、4枚の製版フィルムから刷版(PS版)を作り、色校正用に印刷した校正刷りと呼ばれるものです。印刷用紙は原則として本紙(実際に使う紙)を使います。これを本紙校正と呼びます。
 校正の作業手順は青焼きと同じです。指定紙入稿の場合は、色網の確認をカラーチャートと比較します。指定色と違う場合は、もう一度その%をゲラに指示します。
 色校正では写真の校正が中心になります。入稿した写真原稿と校正紙を比較し、再現がよくないなら、適正な再現ができるように指示を入れます。その場合、注意したいのが誌面全体のイメージです。
一点一点は、たとえ入稿原稿とは違っても、誌面全体のイメージにまとまりがあるような場合は、OKとしましょう。写真家の作品集の場合を除いて、一点一点忠実に再現をしてもよい結果は生まれません。入稿原稿そのものが同一の条件で撮影されているとは限らないからです。
 写真の印刷再現をよくするには入稿時の製版指示を忘れないことです。赤が強い写真の場合は「赤みやや弱く製版」、退色した写真の場合は「濃度強めに製版」と出力見本上に、取り込み時の注意を指示します。色校正が出てからの直しには限界があります。




●現在の色校正の問題
 現在は、写真原稿のほとんどがデジタルカメラの撮影でデータ化されたものとなりました。手元にある現物の原稿との比較が中心だった色校とは、考え方も変わってきました。基本は「不自然さを訂正する」ではないかと考えます。では「自然」の基準はどこに? これは色校正担当者(編集者・デザイナー・カメラマン)が判断するしかありません。
 眠い写真、フラットな写真、くすんだ写真など、それぞれに個性のある表情をしている写真の中で、記事内容から必要な表情の方向性を考える。一様ににシャープでメリハリの効いた写真がいいとは限ら
ないのが、編集の楽しさでもあるのですが。
 ここのところの色校正紙、面付がなされていないケースが増えているのではないでしょうか。製版校正なのに、DTP出力と同じ仕上がりの頁順で見開き出力されている。面付の確認(頁順の確認)も本来なら編集サイドの確認作業の一つです。現状ではこれが印刷所まかせになっています。
 かつてのアナログの製版フィルム上での集版処理とは違い、CTPセッターに出力する面付ソフトの毎回の設定の問題となるので、印刷所は面倒なのでしょうが、どうも忘れ物をしたようで気持ちが悪い。



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