写真

 忙しい現代人にとって、直接視覚に訴える写真の使用は、魅力的な誌面作成には欠かせません。読者に記事内容を読んでもらうには、まずはインパクトのある写真で読者の目を奪い、次に興味をそそるタイトルで、記事を読んでみようと思わせることです。


写真のトリミング
 写真の扱いはレイアウト担当者の腕の見せどころです。元の写真を部分的にカットすることをトリミングといいます。カメラマンから上がった写真はトリミングによって、より生きることもあれば、逆に死んでしまうこともあります。また、まったく違った意味を与えることもできます。
 まずは写真をよく読み込むことです。1枚の写真にも文字と違った、さまざまな情報が入っています。それらの情報の中から記事内容にあった、そして動きのある情報をピックアップするのがトリミングです。
トリミングによるイメージの違い



誌面上での扱い
 写真は、それだけで使用されるケースは少なく、通常は本文と共に誌面上に配置されます。写真の視覚的なアピール度は高く、その扱いによって誌面がまとまることもあれば、逆に散漫になることもあります。写真1点1点のトリミングも大切ですし、誌面構成時には写真の向きをノド側に向けてレイアウトします。
 人物や建物の撮影時には、正面、右向き、左向きの最低3カットは撮影するようにします。
向きにによるイメージの違い

ノドの扱い


写真の加工
 写真は一般的には角版で使用しますが、ときには角丸、楕円、切り抜きや型抜きで使用することも、誌面に変化や楽しさが表現できます。
 切り抜きは、物や人のバックの不要な情報を消して、そのものを強調します。誌面の印象としては柔らかいイメージを読者に与えます。商品カタログなどで、その商品を強調するため多用されています。
 座談会や対談の人物写真のバックにバラツキがある場合、バックに他の人物が写り込んで不自然な場
合など、人物を切り抜きとし、そのバックに平アミを掛ける方法がよく使われます。
 記事内容によっては、切り抜きの不向きなものもあります。また、柔らかい記事であっても、バックの情報が重要な意味を持つ場合もあります。たとえば下の写真の場合、友人達との河原でのバーベキューがテーマの記事内容では、切り抜きはまったく意味をなしません。

写真の加工