本文フォーマット

  レイアウト用紙を作る

 本文フォーマットの基本は何と言ってもレイアウト用紙です。
 レイアウト用紙は、5段組、4段組、3段組と使い分けることにより、記事による差別化ができ、読者を飽きさせない変化が可能となります。また、本文スペースをいちいち計算や組見本から割り出す必要もなく、スムーズなラフレイアウトを可能にしてくれます。
 レイアウト用紙は、その雑誌の全体イメージを表現するものなので一般雑誌の場合、経験を積んだプ
ロのデザイナーが作成することがほとんどですが、職能の分業化がなされてない場合は、印刷所と相談し担当編集者が作成します。
 レイアウト用紙は、印刷所に入れる誌面の設計図の台紙あたるものです。(その上に各記事ごとに写真や本文、タイトルなどを作図指定したものが、レイアウト指定紙と呼ばれます)現在ではDTPが主流となり、指定という考え方が乏しくなりましたが、一冊の雑誌としてのデザインのベースとなることにかわりはありません。



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縦組みレイアウト用紙
4段組のレイアウト用紙です。製版面外の左右に5段組用の字詰めスケール、地に行送りスケールがあり、5段組にも使用できます。

世界の歴史0
横組みレイアウト用紙とレイアウト例
2段組のレイアウト用紙です。本文版面内の左右にある囲みは、脚注用のスペースです。
製版面外の上下には本文3段組とコメント3段組用の字詰めスケールがあります。
 
 
 段組ごとに級数、字詰、行送りを文字の代わりに□や○の記号で組版した基本的な本文版面や、ノンブルの位置、仕上り線、製版線などを見開き状態で印刷します。製版線の外側に、雑誌名、号数を表記するアキ、ページ数表記のスペース、本文の基本指定(書体も含めた)やキャプションの指定などを印刷します。キャプションの行送りや本文以外のパターンのスケールを欄外に印刷するのも、より便利
な使い方ができます。人の目は誌面を見開きで認識するので、必ず見開きで作成します。
 紙の大きさは見開きより一回り大きく、A4判の場合は見開きがA3となるのでB3の紙に、B5判の場合はA3の紙に印刷します。必ずノドの線が左右センターに来るように印刷します。刷り色はやや薄く、指定文字(濃い青や赤)が識別できる色を選びます。
 


  
●本文版面と本文の可読性
 
 その雑誌の持つ基本イメージは、本文版面と本文の組版によると言っても過言ではありません。特に本文版面の上下左右のアキの扱いは重要です。
 文字を中心にゆったりと読ませたければアキを大きくとり、本文の行間もやや広く、逆にビジュアルに見せるのがこの雑誌の命だというものは、アキを少なくとり、本文の行間もやや狭くとります。
 また、その雑誌としての視覚的な差別化をつけるため本文版面の天に大きくアキをとるものや、逆に地に大きなアキをとるものもあります。このアキの白は単に差別化のみならず、読ませる工夫でもあります。(一面文字ばかりでは読む意欲は失せます)
 ノドのアキは綴じによっても注意が必要です。紙の腰の強さにも影響しますが、無線綴じの場合は、開きがよくないので15から20ミリのアキが必要です。中綴じでは10ミリ程度でも大丈夫です。ただしファイル保存用のパンチ穴が入る場合は 20 ミリ程度必要でしょう。
 おおよその基本版面位置を決定後、各段組ごとのレイアウト用紙を作成しますが、天と小口の位置は必ず統一します。行間や文字の大きさの違いで生じる誤差はノドと地のアキ、あるいは段間のアキで調節します。段間は最少2字アキです。
 文字の大きさは情報的な記事は12Q程度、一般の記事には13Q、エッセイのようにゆったりと読ませたい記事には14Qと、文字の大きさを変えれば、より記事の差別化が可能です。
 本文組を決めるときには、可読性(読みやすさ)に注意します。1行の字詰が多い場合は行間は広く、字詰が少ない場合は狭くが基本で、二分(1文字の半分)アキから二分四分(1文字の4分の3)までの間で選びます。13Qの大きさだと行送り19歯から23歯の間です。
 字詰は15字から25字の間で選ぶようにしましょう。