ひとくちにページ印刷物と言っても、雑誌・単行本の市販出版物から、会社案内・商品カタログ・社内報などの企業出版物、団体の機関誌や広報誌、少部数の趣味の同人誌などさまざまです。
 それらページ印刷物にかかわる職能としては、著述、編集、校正、デザインなどの出版物制作環境での作業や、組版のDTPオペレーティングや製版のスキャナーオペレーティングなどがあります。しかし、DTP環境(とりあえずはパソコンで、文字組やデザインをすることと思ってください)の急激な膨張で、これら職能としての境界は限りなくぼやけ、電車で隣に座った一般の人と、さしたる違いがなくなりつつあります。
 この文章を読んでいるあなたを、具体的にはイメージできない状態です。
 ところがページモノに限りませんが、その印刷物を「意味あるもの」にするには、いま自分が何を作
ろうとしているかを自覚することです。自分が作ろうとしているものの目的を考えます。だれに読んでもらえば、その印刷物の目的が果たせるのか。できるだけ具体的に読者をイメージすることが、印刷物制作の第一ではないかと思います。
 本ホームページにおいても有効に活用いただくためには、具体的な読者を想定すべきでしょうが、とりあえずは初心者の方です。出版社の新人編集部員や企業広報部の新入社員の方、程度に想定させていただきます。それ以上の具体性はホームページという性格上、意味を持たない気がします。
 経験者の方には「そんなこと、当然だろ」「いまさら」とお思いのことも多々あると思います。ご勘弁のほど。また、あくまでもここで整理されたものは、私(あむ代表=荒瀬)の経験の中でのことでしかありません。不勉強、誤解の部分も多々あると思います。ご指摘いただければと思います。


 
それではページ印刷物制作の本題に入ります。

●上にも書きましたが、まずは印刷物の
目的を明確にすることです。
何を作ろうとしているのか。その目的は。
その読者はどのような人なのか。
それらをできるかぎり具体的にイメージしましょう。
目的や読者対象により
企画内容、文章表現、デザイン表現も変わります。
そのためには類似印刷物(あるいは媒体)を分析します。
企画や編集作業の途中、行き詰まったら
必ず、ここに戻る癖をつけましょう。

●次はあなた自身の役割、守備範囲の認識です。
そのためには
制作システムの理解
が必要になります。
作業工程のどこまでが自分の作業なのか。
その作業のうちコンピュータを使う作業はどこまでなのか。
前の作業、後ろの作業を知ることで、
自分の作業の簡略化もできますし、
入稿時の適切な指定紙、あるいはデータの作成が可能となります。

●自分一人で印刷物を作ることはできません。
何十人もの人との共同作業です。
他の人との正確なコミュニケーションのためには、最低限の
誌面の名称 は覚えましょう。


●印刷という工業的な手段で複製物を作ります。
印刷の基礎知識 は、あって当然。
印刷に興味を持ちましょう。
複製物を作ることの喜びと、恐さを感じることのできる人。
そんな人が、この業界には向いています。