2―●文章原稿類の指定

●指定原則

 指定は文章原稿(原稿用紙)、レイアウト指定紙と並記を原則とします。(印字は原稿用紙上の指定により行なわれますが、台紙校正時のチェックのためにレイアウト指定紙上にも表記します)

●指定の順序 1. 組(タテ・ヨコ) 2. 級数(Q) 3. 書体  4. 字送り(H) 5. 字詰 6. 行送り(H)

●例 タテ組,12Q,MM-OKL,
    字送り12H(ベタ),18字詰め,行送り20H


 3. の書体については、入稿印刷所の見本帳でコードネームを調べ、使用できるように。
 入稿前に必ず、その印刷所での組版システムが何なのか、そのシステムに搭載している書体は何なのか打ち合わせします。指定はその書体の範囲内で。どうしてもその他の書体が使いたい場合は、印画紙出力した版下を添付するか、使用可能なデータを指定紙と共に入稿します。
         
 指定は文字に限らず、印刷されるものは黒、指示指定は赤を原則とします。印刷所によっては、文字指定は赤、製版指定は青のところもあります。(製版工程の集版では版材が感光しないように、赤のスモールランプを使用しています。そのため薄い赤での指定は見落としの原因になるためです。濃い赤でしっかりと書けば問題ないでしょう)


 
本文の指定

本文の指定例

●原稿用紙 1. 原稿整理を行い、原稿整理記号を入れます。――●赤
2. 頁数、書体、級数などの指定を右上に表記します。――●赤
(一冊の雑誌、単行本などでは原稿量が大量になるため文章原稿、製版原稿などすべての原稿に、何頁に入る原稿なのかを必ず表記します)

●レイアウト指定紙 1. 文字ブロックを指定に従い、歯送り表、級数表、あるいは計算などで正確に作図します。――●黒
2. 原稿の書き出し部分5〜6字を照合のために表記します。――●黒
3. 書体、級数などの文字指定を表記します。――●赤

4. 各文字ブロックの字詰、行数を左下(タテ組の場合)に15W×10Lのように表記します。――●赤
         
 本文は原則的には12Q・13Qを使用し、書体はLM(細明朝体)、あるいはMM(中明朝体)が一般的です。
 読み易さの面から、1段の字詰は最小15字、最大25字程度(段の途中まで写真がかかるような変則的な字詰変更の場合は最小6字詰)、行間のアキは本文級数の二分以上(12Qなら行送り18H以上、13Qでは行送り19H以上)から二分四分以内(12Qなら、21H送り、13Qでは23H送り)で設定する。字詰が長くなれば、行間も広くするように相互の関係に注意が必要です。
 2段以上の組となる場合は、段間は最小2字アキ以上を原則とします。

2段組の本文の指定例
      2段組の本文の指定例 
 

 
キャプションの指定

キャプションの指定例

●原稿用紙、レイアウト指定紙とともに本文と同様に指定します。
 同一頁上に2本以上ある場合、キャプ1、キャプ2のような合い番号を頁数とともに表記します。――●赤
         
 キャプションは原則的には本文よりやや小さく、
10Q・11Q程度で、書体はMG程度が一般的です。行間のアキは、1〜3行程度のものが多いため四分(10Qなら13Hか14H)くらいが一般的です。
 5行以上の長文のキャプションが多く使用されるような場合は、本文と同様の二分アキ(10Qなら行送り15H)以上にしましょう。


 
タイトルの指定
 
タイトルの指定例
●原稿用紙 本文と同様に指定します。
●レイアウト指定紙 1. その文字幅を薄く引き、そのワクいっぱいに仕上りに近い印象で一字一字書き込みます。――●黒
2. 本文と同様に指定します。行間のアキは、行送り指定でも、アキのミリ指定でもけっこうです。――●赤
 タイトルは詰め印字が望ましい、そのためには日常から見本帳などで、文字の形、書体の両面から、その文字がどの程度詰めることができるかという感覚を養うことが必要です。


 
 次は製版原稿類の指定
 

 
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