書体によるイメージ
 
 印刷文字の書体にはさまざまなものがあります。タイトル書体は、その書体の持つイメージ、本文記事内容に合ったイメージの書体を選ぶことが重要です。明朝体、ゴシック体、楷書体、隷書体など書体
や太さにより、さまざまな表情を持っています。
 使用可能な書体は、使用する写植機あるいはDTPマシンによって違います。入稿印刷所の書体見本帳から選びましょう。

書体の例
 化粧品の記事のタイトルに太いゴシック体では美人になれそうにありませんし、プロレスの記事に細い明朝体では強そうには見えません。書体からはさまざまな「らしさ」が感じられます。
 タイトル書体の選び方によっては、記事内容とは逆なイメージを読者に与えてしまいます。


 
書体のツメ
●タイトルはつめることです
 
 シマリのあるタイトルデザインのコツは、初心者の場合できるだけ字間を詰めることです。タイトルのような大きな文字の場合、本文とは違い、基本的な文字組(字送りベタと言います)では書体によってはパラパラとして、緊張感のない文字組となります。和文の書体デザインは、文字の形に関係なく、縦にも横にも組めるように正方形の枠の中にデザインされています。そのため、たとえば横組みで「り」や「く」は横幅がなく、隣の文字とのアキがスカスカと空いてしまいます。縦組みの「へ」や拗促音なども同様です。
 プロのデザイナーは、その文字の形に合わせて1字1字美しくツメ印字しています。市販雑誌の記事タイトルが文字組だけでも美しく見えるのは、そのようなプロの職人の技術に支えられています。仮に初校ゲラが上がって、パラパラしているようでしたら、「詰め」の赤字を入れましょう。


 
●タイトルデザインは整理から
 デザインは編集作業と同じで、整理することで読者に記事内容を視覚的に伝える作業です。タイトル部分のデザインも「シリーズタイトル」「サブタイトル」との関係を整理する必要があります。文字の大きさは、メインタイトルに対してシリーズタイトルやサブタイトルは3分の1以下を原則としましょう。60級のタイトルなら20級以下で、メリハリをつけるなら15級でも充分です。位置関係も整理です。頭に揃える、尻に揃える、センターに揃えるが基本となります。この基本を押さえたうえで変化やイン
パクトを工夫しましょう。
 罫線、アミ掛け、地紋の使用は文字のみの場合に比べ厚みが増します。軟らかい記事の場合はイラストの使用も親しみのある誌面イメージを読者に与えます。ただ、このような文字以外の視覚要素は過度な飾りにならないように注意しましょう。
 柱やシリーズタイトルのデザイン処理も、読者に飽きを感じさせない誌面構成には、重要な役割を持ちます。過度な飾りにならない程度のデザイン処理を工夫しましょう。

 
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